コピーはまだか

コピーライター駆け出しのころ、
１つのキャッチコピーを書くのにとても時間がかかりました。
いつもデザイナーを待たせてばかり。
 
「コピーまだ？　ずっと待ってんねんで」
しびれを切らしたデザイナーは、まだか、まだか、とあおってきます。
 
「もう少し待ってください」
なんて言いつつも、
人様に見せられるコピーなんざ、なかなかできやしません。
時間はどんどん過ぎていきます。
 
「コピーいつごろあがる？」
容赦ない催促です。
 
あまりに待たせてもと、
どうにか絞り出したコピーを持っていくと
「うーん、ちゃうなー。画とコピーがおうてないやん」
とダメ出しを食らうこともしばしば。
 
自分の腕だけが頼りの仕事が、
こんなにも大変だとは思いませんでした。
 
でも何とかしようと
うんうんうなって考えていると
後ろのほうから「これ、コピー取っといて」という声が。
そんなとき、思わずビクっとなってしまうのです。
 
コピーという言葉は大好きなのですが、
未だにドキッとする言葉でもあります。